810(2005/12/31)
●トリ
ヒトリヒトリガサトリヲヒラケルヨウ、
コトリサエズルミズウミノホトリデ、
ヒッソリオマチシトリマス。
809(2005/12/30)
●きしかた
彼が今、局面を覚えていられないのは、
思い出したくないのに悪夢のようにこびりつく想いを、
もう、人の一生分位引き受けたからなのだろう。
そう思わないと、王手を忘れる人を前に微笑んでいられない。
808(2005/12/29)
●忘れる
以前、知人が言っていた。
心の中で亡くなるのが、「忘れる」。
心が亡くなるのは、「忙しい」とき。
心に留めたいことばかりなのに、
楽しみで仕方なかったのが忘年会だなんて、
なんだか、皮肉だ。
807(2005/12/28)
●伝わらない
ああして欲しい、
こうして欲しい。
いろいろあるけれど、
うまく伝わらないことばかりだ。
特に、美容院において。
がっくり。
806(2005/12/27)
●既得権
本来自分がするべきことを、
他の誰かがしてしまうと、
自分の存在意義が剥奪されたような気がして、
とても悲しい。
そういうものだよね。
805(2005/12/26)
●Pirates
一本の筋が通った生き方が常にいいとは言えないけれど
捨てちゃいけないものだってきっとあるよね人だもの
804(2005/12/25)
●キャンドル
こんな夜でもなければ、蝋燭を灯すこともあまりない。
穏やかな光に照らされると、
不思議とどんなものでも温かく見える。
いつもこんな風にあらゆるものが見えていれば、
自分の中にある空洞をしっとりとしたもので埋められるのに。
803(2005/12/24)
●静謐
澄んだ空に瞬いている光は
地上のことどもを見下ろして
何を思うのだろう
その聲は
僕らには届いているのだろうか
802(2005/12/23)
●みている
手を差し伸べることができない時に、
声をかけることもできない時に、
何ができるか、
かつて、苦しんだ。
そのときも今も、僕は歌っている。
じっと、静かに、見つめながら。
801(2005/12/22)
●心細い
きっと、
寒い一人の部屋で、
布団にひっくるまって泣いてるんだろう。
温かいものでも届けてあげたいところなんだけれどな。
800(2005/12/21)
●えび満月
まさかそういう意味を持つに至るとは、
作った人も夢にも思うまい。
まったく、言葉は恣意的だ。
799(2005/12/20)
●自衛
何かが自分を傷つけていると感じるのは他ならぬ自分の心で、
傷つかないことがいいことだと思っているから、
傷つくことが悪いことのように感じられるのだということを、
忘れてないか?
798(2005/12/19)
●再会
久方ぶりに会った。
ちっとも変わらずに穏やかだった。
ただ、風が少し冷たかったから、
本当は聴かせたい歌が他にもあったのに、
思わず僕は手をポケットに突っ込んでしまった。
797(2005/12/18)
●げきじょう
それは、ぶたいなのです。
せいかくづけされたひとびとが、
それぞれのおもわくで、
おもいおもいにこうどうしているのです。
そこにはもちろんあつれきもあるでしょう。
ふあんにさいなまれることもあるでしょう。
それでも、ときはながれていくのです。
ただ、しずかに、すべてをうけとめながら。
796(2005/12/17)
●装飾
電話ごしに「そっちはどう?」と聞いたら、
「イルミネーションが綺麗です」と答えていた。
この時期、どこでもそうだがなぁと思いつつ、
今はもう観られない表参道のイルミネーションを想った。
795(2005/12/16)
●捨てる
捨てられる物は、捨ててしまった方が楽だ。
もちろん、そのために辛い部分もあるだろうけれど。
それでも、最終的な平穏のために、捨てられる物は、捨ててしまいたい。
何を捨てられるのか、僕は随分人と違っているみたいだけれど。
794(2005/12/15)
●サボタージュ
とてもじゃないが起きる気になれなくて。
ごめんね、楽しみにしていた(かもしれない)5年4組のみんな。
793(2005/12/14)
●布
本当は生地を選ぶはずだったんだけれど。
それどころではなくなってしまうのが、世の常。
直されるべき物が、後回しにされていく。
792(2005/12/13)
●作る
試作。
ふむふむ、こんな感じで良いか。
大体材料の見当もついたし。
なかなか好評で、作った本人、すっかりご満悦。
791(2005/12/12)
●流星
夜半過ぎ北の夜空を流れ行く星に届くか私の願い
790(2005/12/11)
●ゆ
「世界で一番小さな辞典」によれば、
「ゆ」の意味は、
果てしない、だそうだ。
ま、いいか。
789(2005/12/10)
●フレーム
そんな些細なことで仲違いなんて。
断絶は何も生まないよ。
対話の向こうにしか、未来はない。
788(2005/12/09)
●調子はどうだい?
抜けるような空が高すぎて、
四角く切り取られた世界が、
とてもとても寂しげだった。
787(2005/12/08)
●きょくめん
守ってばかりでもダメだし、
攻めてばかりでもダメ。
広く、広く、見通そう。
でも、曲がってるところしか、見えないけれどね?
786(2005/12/07)
●うむ
無かったものが、違うところにあったり、
あると思ったものが、期待したところになかったり。
そんなことを繰り返して、日々が過ぎていくんだなぁ。
785(2005/12/06)
●飛車角落ち
小学生の頃によくやっていた。
親父に全然勝てなくて悔しかったっけ。
今は、こっちが飛車角落ちだ。
早く、負ける日が来ないかな。
784(2005/12/05)
●ホコリになって
用無しの人間なんているわけがない。
そんなこといわれたってなぁ。
そう思えない日々だってあるよ。
そんな時には、気球に乗ろうか。
783(2005/12/04)
●だから、「ありがとう」
思考パターンが違うんだなぁとちゃんとわかったのは最近。
そりゃ、いくら話しても噛み合わないはずだ。
彼女は濃度について話していて、僕は質量について話していたんだ。
782(2005/12/03)
●タイカレー
以前は、なんとなくタイ料理が苦手だった。
好きなメニューもあるんだけれど、ココナッツミルクを使って、
甘い感じの料理が、どうも、苦手だったんだ。
でも、大分、楽しめるようになってきた。
今日のタイカレーは、今まで食べた中で、1、2を争う美味しさだったよ。
781(2005/12/02)
●結ぶ
「結んで」
そういって差し出したのは、水色のリボンだった。
蝶々結びが好いという。
なるべく可愛く見えるように、気をつけて結んだ。
すぐにほどけてしまうので、何度も何度も結び直した。
780(2005/12/01)
●公園
「すごく久しぶりに来た、この公園」
「そう?」
「だって、結婚してから来てないでしょ?」
小田和正が響く公園で、僕らはなんだか懐かしい時間を過ごしていた。
Copyright (C) 2005 SATOH Osamu. All rights NOT reserved.