時
1996/12/01 written by satoo
ある朝突然 私は悟る
私は 規則正しい音を従えて
つながれたまま 悲しい円を描き続けている
それはまるで、 年老いた友人が愛犬に遺した
ほこりをかぶった巨大な造形
一体だれが信じるのだろう
私という存在があったことを
一体だれが思い出すのだろう
今日という日が苦しみに満ちていたことを
そしていつしか私は眠る
青白い光をおびたまま
冷たい熱を放ちつづける 時とよばれるプールの中で。
息も できない